発達心理学

概要
発達心理学とは、人が発達成長していく過程(段階)を研究する学問です。
人はどのように発達し、どのように成長していくのかをみていくことで人間理解に役立てるものです。人間は発達・成長していく段階で、必要な体験や出来事が存在します。しかも特定の時期に特定のことが必要であり、その時期が早くても遅くてもダメです。その特定に時期に体験しないと後々問題が起こったりします。

たとえば、赤ちゃんの時期は泣いたらお乳がもらえるという万能体験が必要です。幼児期にはトイレット・トレーニングが必要です。児童期はギャング・エイジと呼ばれるように悪さをしたり反抗したり、嘘をつくことが必要ですし、無邪気に遊ぶことが必要です。思春期はアイドルを好きになったりアーティストに入れ込んだり、また危険な行為をする時期です。そして大人になる時にはイニシエーション(通過儀礼)が必要です。青年期には人生の見直しが生じます。
これらのことを知っているだけで、どうすればいいのかがわかってきます。これらを知る学問が発達心理学です。


相手の対応・反応

概要
もう一つ重要なのは、上記の体験をする際に、相手(周りの人)がどのような対応・反応をしたかと、その反応を自分がどのように感じたかです。ここに問題が生じると、下記のような問題が生じることがあります。

◇ 関係性の問題(人と良好な関係をつくれない)
◇ 社会性の問題(衝動的な行動を制御できない、自分中心の考えから脱却できない)
◇ 認識の問題(自分流にものごとを解釈する)
◇ 欲求の問題(自分の欲求を満たすことを優先する)
◇ 感性や過敏性の問題(相手の顔色が気になる、断れない、生きづらい)
◇ アイデンティティの問題(自分がわからない、感化されやすい)
◇ 怒りの問題(攻撃的、反抗的、挑発的、悪態をつく)
◇ 気分・機嫌の問題(精神が安定しない、すぐ不安になる)


精神の発達

概要
「精神」は発達し成長していくものです。身体と同じように精神も発達します。
ただ、発達の速度は個人によって差があり、早く発達する人もいれば遅い人もいます。
また、何らかの事情で精神の発達が偏ったり、停滞することもあります。
そうすると他者の関係で問題が生じたり、年齢にそぐわない未熟な行動をするなどが生じます。