臨床心理学とは

寄り添いの学問
臨床心理学とは、クライエントの心にいかに寄り添って理解し続けていくかという学問です。
私たちは自分の意思のもとに活動しています。一方で、私たち人間の「心」は深いところでは別の動きをしています。表に出てくる発言や行動からでは見えない動きがあります。クライエントは複雑な気持ちや感情を抱えているために、その心の動きも非常に複雑になっており、それゆえ苦しみ悩んでいます。

ですから、その苦しみや悩みをわかっていこうとするためには、心の深いところの動きをみていく必要があります。そのために臨床心理学という学問が大切になってきます。

ただその際に、クライエントを治してあげようとか、クライエントを変えていこう、という操作的な考えであればうまくいきません。誰だって自分を操作されたりすれば反発したくなるでしょう。
臨床心理学はクライエントを理解し続けるのものですから、クライエントの主体性を大事にし尊重していく姿勢が求められます。言い換えれば、心理療法家の人格と力量を求められます。そうすることがクライエントの自己治癒力を引き出すからです。

安易に病気を治せばいいとか、悪者に説教して悩みを解決すればいいという浅い考え方ではなくて、クライエントにとって「心が治るとはどういうことか」とか、「生きるとはどういうことか」ということをじっくり考えて、一緒になって悩み、人生を歩んでいくものです。


学問の範囲

概要
臨床心理学の範囲はとても広く、心理カウンセリングや心理療法や精神分析などといったものから生活の援助や支援など広く網羅しています。