対人心理的距離の失調

概要
対人心理的距離の失調とは、相手との心理的な距離感覚を的確につかめず、人間関係をうまく構築できない、あるいは維持できない状態のことをいいます。
たとえば、相手にべったりくっつきすぎて甘えてしまって、そのためにしつこいとかうっとうしいとか思われたり、一緒にいると気が疲れると距離を置かれてしまったり、あるいは逆に相手と距離をとってしまい、冷たいとか素っ気ないと思われてしまうことです。

失調が軽度の場合は、人とどうやって仲良くなったらいいのか分からないとか、相手の心にどこまで踏み込んでいいものかと思い悩んでしまう等、苦しんだりします。
しかし苦悩する一方で、人との距離感をうまく保てていないとは認知できておらず、なぜだかわからないけれども相手とうまくいかないと感じています。


人との関係の持続の不調

概要
人との信頼関係の維持に何らかの問題が生じると、適切な友好関係をつくろうとしても競争や敵対になってしまうことがあります。
たとえば相手よりも優位に立とうとして相手を言い負かしたり、相手をコントロールしようとしたり、相手のことをすべて知っておこうとして秘密を詮索をしたりします。また、相手と話をしているだけですぐにムキになってケンカ腰になったりします。あるいは自慢しがちであったり、見栄を張ったりします。
このように、人と対等で穏便な関係を結べないことがあります。


理解を深めるために

能力とは異なる問題
対人心理的距離の失調は人間関係をつくるのが下手であるということではありません。なんらかの要因によって人と距離がうまくとれない問題を抱えているものです。