家族療法/家庭の相談

概要
心理学には家族を一つの全体としてみる見方があります。これは、「家庭とは個々の成員の総和以上のものであり、まとまりをもった一つの組織であり、そこには常に家族内のバランスを保つように働く構造・仕組みがある」というものです。
この家族成員のバランスを保持しようとする力を「家族力動」と呼び、家族は成員一人ひとりの絶妙なバランスの上に成り立っているというわけです。簡単に言うと、家族は一人ひとりが集まったものだけれども、集団となると別な動きや働きをするということです。そのため、どこかに“動き”が生じると別のところに動きが生じます。
ですから、家族の状態を変えるには、この「家族力動」を理解し、家族バランスを変化させることが重要になってきます。


親との関係と対人関係

概要
私たちはもともとお父さんとお母さんに育てられます。そしてその関係を生涯、人を変えながらずっと続けます。友達であろうと恋人であろうと親との関係の反復なのです。ですから、あなたが今、友達や恋人や他人などとの関係が良くなかったり問題が起こったりするのは、過去の親との関係を今ある関係で変えようともがいているためです。
ですから、その親との関係をカウンセラーが受け持ち、あなたとカウンセラーとの関係で現在に変化を起こすことができれば過去の親子関係が変わるので、その結果、現在の対人関係が変化するというわけです。


家庭という基準

概要
生まれて育ってきた家庭というものが、自分の考え方や感じ方など何かを判断する基準となります。当然、その後の人生での友人や異性といった関係からも影響を受けていくのですが、基準の根源となるものは家庭です。たとえば、家にいるとき貧乏だったという思いや、家で厳しく育てられたという思いは人格の根幹を成します。また、親から褒められたことがないとか、親から誕生日を祝ってもらったことがないといった「無体験」も、対人関係に大きな影響を与えます。


家と世間(ウチとソト)

概要
日本は昔から「家」というものを重要視したり、「世間」というものを重要視してきた文化があります。今でもなおその風習は残っています。
そのため、大人は当然のごとく世間を気にし、子どもに対しても「世間に合わせる」ということを教える親御さんは多い。その際に、世間はこうだとか、世間体があるからといって世間を優先させることが多くみられます。そうやって子どもも世間を学んでいきます。
しかし、あまりにも世間を優先して、子どもの気持ちを大切にしないと、子どもは親から愛されていないのではないかと感じてしまう可能性があります。