家族病理・家系の病

概要
一見すると個人ひとりが病んでいる状態でも、深く観察してみると家族全体が病的な状態であったり、家系に問題があったりすることがあります。これを「家族病理」とか「家系の病」と呼んでいます。
家族全体の問題や、何代かにわたって積み重なってきた問題が、家族成員のある一人を通じて出てきている状態です。


世代間境界

概要
「世代間境界」というのは祖父と祖母の世代、父親と母親の世代、子どもの世代、というように、世代を分けている境界のことです。この境界が明確に分かれていると祖父は祖母と仲がいいし、父親は母親と仲がいいし、子どもたちは兄弟で仲がよく結びつきが強い。ところが、何らかの原因で境界のつり合い(均衡)が崩れると、偏ったいびつな関係が生じます。


世代間連鎖

概要
「世代間連鎖」とは親と同じような生き方を自分も送っていてそれを繰り返している状態のことです。「親のような人生は絶対にしない」と心に決めていたにもかかわらず、気がついてみれば結局、自分も同じような生き方をしている、あるいは、まるっきり反対の極端な人生を送っていて、どうしてなんだろうと悩むものです。
具体的にはたとえば、アルコール中毒の父をもつ娘がアル中の男性と結婚したり、暴力を受けて育った人が自分も暴力を振るうか、もしくは暴力を振るう人と結婚するなどがみられます。また両親が離婚している人のなかには自分も離婚してしまったり、親が不倫している人のなかには自分も不倫してしまうといった人がみられます。

親のよいところ悪いところ
どのような場合であれ、父親と母親の良いところも悪いところも子どもは自分のなかに取り込みます。親の良いところだけ学んで吸収すれば理想的ですが、実際にはそうはなりません。しかし本人にしてみると親の良いところだけを学び、悪いところは反面教師として捨てたという意識が強くありがちです。しかしながら捨てることはできておらず、自分のなかに吸収されており、無意識の中に格納されています。だから自分では気づけません。それで誰かと友人関係や恋愛関係をもった際に、その悪い部分が出てきてしまい、「どうしてこんな関係になっているんだろう」と感じることになります。