情緒不安定パーソナリティ

概要
情緒不安定パーソナリティーとは、気分(情動)の不安定さが非常にあり、感情的かつ衝動的で激しい怒りや抑うつが突発的に生じ、他責的になったり自責的になったり極端な不安定さが起こる状態です。
自分がおこなう言動がどういう結果を生むかということを事前に考えず、衝動的に行動してしまう傾向があります。そのため計画を立てる能力にきわめて乏しいと言われます。確かにそういう部分はありますが、一方で、計画を立てなくても実行できてしまう能力の高さや頭の回転の速さをもち、また人の気持ちを代弁したりして共感を呼び寄せ、簡単に人を巻き込む能力をもっているとも言えます。
また、他人から非難されたり否定されたり、あるいは邪魔や干渉されたりすると容易に感情が爆発し、衝動的な行動をしたりします。




人格の傾向

主な傾向
人に対しては優しく愛情豊かです。その分、自分自身も愛されることを非常に渇望します。雰囲気は魅惑的で同性異性にかかわらず多くの人を惹きつけます。そのため人脈が広く色々な層の人たちを知っていて交友関係が広いのですが、心を許せる友人は意外と少なく排他的です。
経験が豊富で、知識武装および情報化をしていつつ論理的思考をもっていることが多く、頭の回転も速く、饒舌(じょうぜつ)です。一方で、劣等意識が強いためにひがみやねたみが強く言動にそれが強くあらわれがちです。
白黒思考が顕著で物事をはっきりさせる傾向がみられ、問題をすぐに解決しようとする傾向があります。正論や道徳論や正義論などの勧善懲悪をもって主張、説教、論破あるいは対抗しようとするため、人と衝突しやすく、対人関係も不安定になりやすい。また、相手がしている矛盾したことや不道徳なことについては徹底的に責めますが、自分がしている矛盾や不道徳なことに関しては棚に上げたり、言い逃れをしたり、非常に上手い言い訳をして相手の反論を覆したりします。
また、約束したことを覆したりします。これは約束を破るのとは少し違います。嘘だか本当だかわからないような理屈を語って相手を妙に納得させてしまうのです。そのときは相手も納得するのですが、後から話がおかしいことに気づいて腹が立ってきたりします。
本人は極端な情動の激しさを自己認知できていない時もあれば、できている時もあり、また、周りの人に迷惑をかけていることを自己認知できていない時もあれば、できている時もあります。つまり時々反省することができるので、相手も仕方なく許してしまうということになりがちです。