アルコール依存症
■概要
アルコール依存症の問題点は、欲求不満の解消やストレスの解消をするのに飲酒という手段を使うことです。飲酒という手段を使うことで自分のなかに抱え込んでいる感情や気持ちを吐き出すパターンが出来上がっていることが問題なのです。
逆に言えば、お酒を飲んでいない時は、人のためにものすごく気をつかっていて、相手を立てたり、相手が喜ぶようなことをしてあげたり、相手に気に入られるようなことを本人がしているということです。
症状と状態
■症状
アルコールを飲みはじめると自慢話が始まります。自分がこれまでどれほどすごいことをやってきたか、どれほど頑張ってきたか、どれだけ人をまとめて引っ張ってきたか、どれだけ他人に重宝され頼られてきたか、人にどれだけモテてきたか、こうした話が延々と語られます。また、自分の知り合いにいかにすごい人がいるかという人脈自慢や、そういう人たちと一緒にこれから将来にいかにすごい事業をするかといった自慢なども語られることがあります。
話を聞いている方はうんざりしてきますが、しかし対応として本人の言っていることを頭ごなしに否定してはいけません。本人の心のなかは自信のなさでいっぱいなのです。「私は大したことない人間だ」という気持ち、「誰も理解してくれない、誰も私を理解できない」という気持ちでいっぱいなのです。
■精神状態
話を聞いてくれる相手が信用できる人だとか頼れる人だという認識が生まれた場合には、人に対する依存度が非常に強くなります。アルコールから人への依存対象の移行です。ここで言う依存とは「甘える」という意味で、退行状態に入ったり、相手にわがままを言ったり、悪態をついたりします。