退却神経症

概要
退却神経症(回避性人格)は「回避性無気力症」とも呼ばれ、何かを始めてもその意欲が保(たも)たれず、続けられずに辞めてしまう状態を指します。
日常生活のことはある程度できたりもしますが、仕事や勉強や運動など責務(義務)が生じること等については、それらを始めても意欲(やる気)が出なくなり、途中で投げ出したり諦めてしまうなど、持続性やこらえ性の問題として表面化しているものです。
すぐに辞めてしまう一方で、すぐに別のことをし始める、そしてまたすぐに辞めるがまたすぐに別のことを始めるといった具合に繰り返します。


理解を深めるために

神経症の一種
退却神経症は神経症のなかの一つの状態です。ただ現在においては退却神経症という言葉はほとんど使われなくなっています。神経症になる人が激減したためもあります。また「新型うつ病」という名称にもっていかれてしまったことも影響しています。しかし、この「退却神経症」という概念は歴史があり学ぶべきところは多くあります。
この概念をつくっているものは、「自己の喪失」、「趣味がない・楽しみがない」、「些細なことにとらわれて、それをものすごい気にする」、「強迫性」、「自己統制(自己規範)」などです。