ヒステリー
■概要
ヒステリーとは、手足や顔面の麻痺や拘縮、視覚・聴覚が失われたり、首が回らなくなったり、歩けなくなったりする症状(転換性障害)です。また、身体の疼痛、胃腸の不具合(吐気や下痢など)、性的障害(生理不順など)などの症状(身体化障害)もみられます。
人によっては解離ヒステリーといって、感情が本人から分離されたような感じになり、感情だけが出ている状態になることがあります。そして感情や衝動が収まった後は本人がそれを覚えてないということも起きます(意識や記憶の障害、健忘)。
■象徴性の症状
主観的な自覚症状はありますが、医学的な検査では器質的疾患はみつかりません。あることを避けたいと願っていたりする気持ちが症状をつくりだすものです。これは、いわゆる気持ちの身体化です。ですから身体症状には象徴性をもっており、見たくないから目が見えなくなったり、聞きたくないから耳が聞こえなくなったりするというものです。
原因と治療方法
■概要
ヒステリーの原因のほとんどは感情の抑圧です。怒りや悲しみといった感情を無意識のうちに抑制し続けた結果、多彩な症状や言動となって表出しています。それがヒステリーと呼ばれるものです。ですから、これまでずっと何を押し殺してきたのかということを探求し、自分自身がそれを認識することが治療になります。
参考
■ヒステリー性格
ヒステリーは神経症(ノイローゼ)の一種であり、人格の特徴としてのヒステリーというものもあります。この特徴は依存的で傾倒しやすい、ナルシシズム(自己愛性人格)、自己顕示的、誇張的、自己中心的、誘惑的、演技的、などが挙げられます。